キタガワの2面同時摩擦圧接機について

キタガワの摩擦圧接機は、ベースモデルをお客様のご要望に応じてカスタマイズいたします。

従来の摩擦圧接機では、2面を接合する際に製品を反転させる必要があり、全ての段取りから加工まで時間がかかるという課題がありました。この課題を解決するため、北川鉄工所では独自に「センタードライブ方式」を開発し、2面を同時に接合できる技術を実現しました。これにより、加工時間の大幅な短縮が可能となります。

2面摩擦圧接とは

2面摩擦圧接とは、3つの部材を同時に接合する技術です。

一般的には装置の両側に主軸スピンドルがあり、両側の2部材を回転させながら中心部材に加圧します。

センタードライブとは(キタガワが特許を取得)

センタードライブとは、3つの部材の内、中心部材を回転させる接合技術です。
装置の両側にはクランプがあり、部材を掴んで固定します。それを、回転する中間部材に加圧して接合します。

これにより両端の部材の位相ずれが起きないため、高精度な接合が可能になります。

 

センタードライブのメリット

センタードライブの最大の特徴は、その優れた加工精度の高さにあります。他社が提供する2面摩擦方式や1面摩擦方式と比較しても、センタードライブほどの精度を実現することは困難です。これは、センタードライブが構造上、最も高い装置安定性を持っているためです。
1面摩擦方式の場合、片側を接合した後にワークを取り外し、治具を交換してから再度ワークをセットして接合するという工程が必要となります。この方法では、時間がかかるだけでなく、一度取り外したワークを全く同じ位置に戻すことが不可能なため、精度が低下してしまいます。
これに対し、キタガワの2面(センタードライブ)方式では、2面を同時に接合できるため、作業時間を大幅に短縮できます。最初に3ワークをセットするため治具の交換が不要で、1面2工程方式と比べると、より高い精度と作業効率を実現できます。他社の2面摩擦方式でも同時接合は可能ですが、精度が劣るため、片面ずつ接合する方が良い結果が得られます。

3つのワークを1つに接合する場合の3パターンの比較
摩擦圧接機の種類と工程数
1面加工機で2工程行う2面加工機で2工程行う
(他社製)
2面加工を1工程で行う
(キタガワ製)
加工精度位相角精度
同軸度精度
片面加工時間不可
両面加工時間
接合形状
装置サイズ
装置価格
1面接合品だけの
お客様向け
両端接合品があり
スピード重視の
お客様向け
両端接合品だけ
精度重視の
お客様向け

圧接可能な材料一覧

試験接合も承っておりますので、接合したい材料がございましたらお声がけください。

出典元:一般社団法人摩擦接合技術協会

センタードライブの接合事例

偏芯部材

長尺部材

両端異形部材

圧接に関するデータ

断面画像

硬度分布

引張試験

キタガワ最大の強みはカスタマイズ力

チャックのカスタマイズ

国内シェア60パーセントを誇るキタガワチャック。
設計部門と連携し、摩擦圧接に適した専用チャックを搭載

径のレンジを調整可能

ジョーを交換することで、径のレンジが調整可能です。専用機ではなく、汎用機として使用することができます。

自動化ラインと併せてご提案

ロボットを用いたワークの自動投入など、自動化と合わせてご提案いたします。

キタガワの4つの特徴

特徴1 カスタマイズ力

ご要望に応じて、設備をカスタマイズするサービスを提供しております。まずはお客様のニーズを詳しくお聞きし、ベースとなる装置をキタガワ製品の中からお選びします。そこから最適な仕様と機能を組み合わせ、お客様専用の摩擦圧接機としてカスタマイズ設計します。

また、設計段階から導入後のサポートまで、トータルで対応することで、信頼性の高いカスタマイズをご提供します

特徴2 チャック技術

国内シェア60%を誇るキタガワチャックは、設計部門と連携して摩擦圧接に適した専用チャックを搭載しています。

小径の場合は、キタガワ製の回転シリンダを使用し、「掴む・回す・止める」を高精度で提供します。自社製チャックを使用することで、メンテナンスのしやすさや精度、治具交換の簡略化に強みがあり、形状や材質、把握傷の有無に応じた最適な提案が可能です。

特徴3 高い同軸精度

キタガワではボールスプラインを採用し、駆動部をワークと同軸上に配置することで、ワークの倒れ幅を大幅に低減し、芯ズレを最小限に抑える設計を実現しています。

特徴4 シンプルな操作パネル

オペレーターが簡単に作業できるよう、タッチパネルは12インチサイズを採用しています。その他にも、パラメーターを管理することで品質の安定性と高い再現性を可能にしています。

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